ミックス前に必ず行うデータ整理と下準備の考え方(後編)

さて、今回は前回に続き、後編としてミックス前に行うデータ整理と下準備の話をしていきたいと思います。

前編はこちら
ミックスを始める前に、必ず考えている3つのこと(前編)

前編では、ミックス前に行う思考の整理について触れました。
今回は、それを踏まえた実作業の話になります。

先に結論ですが、私がミックスを行う前に実施している下準備は、大きく分けて以下の3点です。

  • ノイズ処理
  • ゲインステージング
  • トリガー処理

では、これらを一つずつ見ていきましょう。


1.ノイズ処理

まず、そもそもノイズとは何か、という点については、さまざまな考え方があると思います。

私自身は、ノイズを次のように捉えています。

目的としている音に対して、音楽的ではない不要な音

これには、いわゆる物理的なノイズだけでなく、
音そのものに含まれる不要な帯域も含まれます。

ミックス前の段階でこのようなノイズ処理を行っておくことで、
仕上がりがクリアになるだけでなく、前編で触れた**「主役を分かりやすく、際立たせる」**効果も得られます。


2.ゲインステージング

ゲインステージングとは、ミックスに使用する各トラックの音量を、
フェーダー前の段階で大きなばらつきが出ないように整えておくことを指します。

DAWが主流になる以前、録音からミックスまでをスタジオで行っていた時代には、
それぞれの工程でプロフェッショナルがこのレベル管理を行っていました。

しかし、DAWが普及し、誰でも手軽に録音・制作ができるようになった現在では、
この工程を意識しないままミックスに入ることも可能になっています。

とはいえ、さまざまな観点から見ても、ゲインステージングは必須の下準備です。
そのため、ミックス前の段階でしっかりと行うようにしています。


3.トリガー処理

トリガー処理とは、リズムトラックの主要な打楽器、
例えば生ドラムであれば Kick や Snare といった「皮もの」に対して、

  • 音色
  • アタック
  • 帯域

などを補強する目的で、同じタイミングで別の音が鳴るように処理する行為を指します。

(トリガー=引き金)

どの音をトリガーするかは、前編で行った完成音像のイメージを基準に判断します。

ミックスを行う際には、楽曲全体の帯域バランスを意識することが非常に重要です。
トリガー処理も、その一部として位置付けています。


まとめ

今回は、ミックス前に行うデータ整理と下準備について見てきました。

これらの作業は、ミックスをスムーズに進めるためだけでなく、
最終的な仕上がりのクオリティを高めるためにも欠かせない工程です。

それぞれ時間のかかる作業ではありますが、
この下準備を丁寧に行った先に、納得のいく仕上がりがあります。

大切な作品が最高の形で完成するように、
私は日々これらの作業を行っています。

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